全国の手をつなぐ育成会・親の会の皆さま、育成会活動を応援してくださる皆さまへご挨拶申し上げます。本会は、令和2年4月1日付けで一般社団法人格を取得し、「一般社団法人 全国手をつなぐ育成会連合会」として新たなスタートを切りました。
法人格取得に至るまでの間には、皆さまに多大なるお力添えを賜りました。この場を借りて厚く御礼申し上げます。
私たち育成会の運動の成果もあって、この30年は知的障害者福祉が大きく前進した時期となりました。障害福祉サービス、障害者雇用、特別支援教育、そして虐待防止や差別解消、意思決定支援や選挙権回復などの権利擁護、そしてアール・ブリュットをはじめとする文化芸術活動といった取り組みが進められました。
しかし、こうした法制度の改善も、各地域で実際に活用されていなければ意味がありません。新しくできた法律や制度を広くお伝えし、活用できるように支援することも、全国手をつなぐ育成会連合会の役割と考えております。どうぞ、機関誌『手をつなぐ』を広くご活用ください。
他方で、改善すべき課題も数多く残されています。
障害基礎年金の改善、一向に減らない障害者虐待や差別の解消、真に使いやすい成年後見制度の利用促進、地域生活を支える福祉サービスの拡充、強制不妊手術問題の解決、そして津久井やまゆり園事件を受けた共生社会の実現--。こうした課題の改善に向けて、全国で10万人の会員数を擁する55の正会員からの声を集め、国や関係機関へ働きかけ、知的障害者福祉の向上を目指します。
育成会活動の基本は、全国それぞれの地域における知的障害のある人と家族の幸せです。
全国手をつなぐ育成会連合会は、役職員一同、そのために精一杯取り組んでまいります。
皆さまの末永いご支援とご協力を、心からお願い申し上げます。
令和2年4月1日
一般社団法人 全国手をつなぐ育成会連合会
代表理事 久保 厚子